初期研修・レジデントプログラム

はじめに

現在初期臨床研修中、あるいは医学生で将来
慈恵医大外科学講座への就職を検討されている皆さんへ

大木隆生

慈恵医大
外科学講座 統括責任者

大木隆生

慈恵医大外科は6診療部(消化管、血管、肝胆膵、乳腺・内分泌、呼吸器、小児外科)、スタッフ約200名を数える大所帯です。港区愛宕の本院に約70名の医師がいるほか柏、第三、青戸分院に54名、関連施設(26病院)に80名を派遣しています。
慈恵で外科レジデントをするという事の目的は外科専門医を取得し、一人前の外科医となることですが、同時に慈恵医大外科学講座に永久就職するという意味もあります。そして、そこには生涯を通じて喜び、悲しみを分かち合える仲間がいますし、教授、診療部長、院長というキャリアーパスを築く場所でもあります。

慈恵で外科レジデントをしてくれる「仲間」(他学卒を含め)は心から歓迎しますし、レジデント修了後も尊重するのは当然のことであります。我々は個々の医局員の心と心の結びつきや、友愛を基本とします(ゲマインシャフト型社会)。医局員同士がこうした絆で結ばれ、お互い助け合うことにより、居心地の良さや、各医局員の幸福度がアップするのみならず、損得勘定抜きのパワーが生じることから組織にとっても良いことだと信じています。

さらに慈恵医大外科学教室は、仲間の面倒は一生みます。もし将来開業する場合にも全面的に支援します。他学の教授として慈恵を離れる際にも最大限の応援をしますし、場合により人的サポート(医局員の派遣)もしています。功労者には関連病院の外科部長、院長職を用意します。また母親外科医が、育児をしながらでも外科医を続けていくことできるようなサポート体制も構築中です。

後期研修には初期研修と違い、前述の通り就職のような側面がありますので、目先の待遇、条件やブランドイメージなどで「使い捨て」レジデント扱いされないような施設選びをすることが大事です。

志とハートのあるみなさんを慈恵医大外科レジデントとして迎えることを心から楽しみにしています。

慈恵医大外科後期レジデントコース(専門習得コース)の特徴

  1. 出身校・研修病院(初期臨床)に関わらず、後期レジデント終了後は、優先的に慈恵外科入局することができ、入局後は「仲間の面倒は一生みます」の一員になれる。
  2. 6診療部を持った大外科講座なので、多分野のなかからレジデント終了後の進路を選択できる上(100%個人の意思を尊重)、修練中は各分野のエキスパートから指導を受けることができる。
  3. レジデント委員会と統括責任者が常に各レジデントの経験症例数と満足度をチェックし、修練施設にフィードバックしているので、レジデントの満足度は高く、また修了時に外科学会専門医を取得するための症例数を楽勝で経験できる。
  4. レジデントとして大学付属病院あるいは分院勤務中は大学からの給料のほかに週一日のアルバイト日があり、また派遣病院で修練中はスタッフと同等の給与が支給されるので経済的にも心配無用である。(3年間の後期レジデント期間中平均年収1,000万円となるよう配慮しています)
  5. 一般外科コース(3年間)のほかに選択コース(呼吸器、血管、乳腺・内分泌、小児外科)を設け、より専門的分野に興味のあるレジデントは最長一年間、選択コースの中から希望の診療部を選べる。残りの2年間で外科専門医取得に必要な一般消化器外科の経験を積む。
  6. レジデント中は年3回の医局ゴルフコンペなど各種外科学講座イベント(新年会、納涼会、忘年会、同門会などなど)や毎月第一金曜日に開催のチェアマン・夕食会に無料招待(後者は誰でも無料)。

外科レジデントシステムについて

外科レジデントコースを選択される先生方は,外科医を目指される方です。そして将来的には個々人が専門分野を選択していくことになります。レジデント期間の3年は,外科領域すべてにわたる基本的な診療・検査手技・手術手技を会得することが要求されます。東京慈恵会医科大学外科学講座ではこれらのニーズに十分お答えできるようなプログラムを作成しています。

東京慈恵会医科大学外科のレジデントプログラムの詳細をご覧になりたい方はここをクリックしてください(レジデント期間3年のプログラムが記載されています)。

レジデントプログラムの特徴

1. 日本外科学会専門医を最短で取得するためのプログラム

現在の医療界では好む,好まずに関わらず専門医資格が要求されています。外科医として必須となる資格は日本外科学会専門医です。ほとんどの外科医がこの資格をもっているといっても過言ではありません。この資格を保有していない場合,のちに専門分野で設けられている各学会の専門医(例えば日本消化器外科学会専門医など)を受験・取得することはできません。したがって,当科では本資格を最短で取得するためのプログラムを作成しています。レジデント担当委員がスタッフとして常に3人以上配備されており,適正にプログラムの軌道に乗っているのか否かを検討します。

2. 多数の関連施設・多数の手術症例・バラエティに富む疾患

当科では本院を含めた4つの大学附属病院のほか,多数の大学関連病院・教室関連病院があります。この中で,日本外科学会認定施設・修練施設が多数あります。各病院によって疾患の特徴があり,救急医療を充実している施設もあります。レジデントの先生方の意見を十分に反映させながら,修練施設を決定していきます。

3. 大木隆生チェアマンとの個人面談

レジデント期間中は6か月に1度の割合で大木隆生チェアマンとの個人面談があります。1対1で行われますので自分の意見・要望などを講座のトップに直接,誰にも気兼ねすることなく伝えることができます。

また面談の際には,過去6か月に施行した疾患別手術症例数・レジデントから修練施設の評価(アンケート形式)などを提出して頂きます。現在赴任している施設が,レジデント教育施設として適切であるのか否かを判断するとともに,各レジデントに対してshort feedbackを行い指導致します。

4. 学会発表・論文投稿へのサポート

前述した,日本外科学会専門医の取得のためには,学術集会での発表・学術雑誌への論文の投稿が義務づけられています。したがって,レジデント教育スタッフが適切な症例を選択し,学会発表から論文投稿までの一連の作業を完全サポート致します。

5. さまざまな教育の充実

本院でのレジデント期間中には各専門スタッフからのセミナー(講義)・手術ビデオ上映が定期的に開催されます(毎週水曜日・土曜日各1時間)。このセミナーでは

  1. 各専門分野からの基本的講義・典型的な手術手技の供覧(ビデオ)
  2. 各専門分野での最新のトピックス
  3. 海外での医療事情・移植医療・留学の手引き
  4. 救急医療
  5. 基礎研究・臨床研究の実施の仕方
  6. 医学論文の書き方
などを講義しています。講義の内容は約半年ごとに適宜変更されます。
最近のセミナーの内容をご覧になりたい方はここをクリックしてください。

6. 鏡視下トレーニングシステム

現在,外科ではさまざまな領域で鏡視下手術(腹腔鏡手術・胸腔鏡手術など)が行われています。これらの手術は,患者さんにとっては低侵襲でありますが,特殊な手技の熟練を要します。

外科ではいち早く,鏡視下手術トレーニングシステムを立ち上げ,年4回の割合でドライラボ(ボックストレーニング・シュミレーターを用いた手術)や動物を対象とした腹腔鏡手術のトレーニングシステムを構築して参りました。

平成16年度からは泌尿器科・産婦人科・麻酔科などとタイアップし,慈恵医大ならではのトレーニングシステムを開始致しました。

筆記試験・ドライラボによる実技試験・動物(ブタ)を用いた実技試験などからプログラムが形成されており,合格者にはライセンスが交付されます。

慈恵医大で鏡視下手術を行う場合には,このライセンスが必要となります。本プログラムの目的は(1)基本的な鏡視下手術の会得,(2)安全な手術の遂行にあります。指導スタッフは日本内視鏡外科技術認定医試験に合格した専門性のあるスタッフがおもにあたります。

外科学講座統括責任者の医局年報巻頭言