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大腸癌

 大腸癌とは   慈恵医大外科での治療と成績 

1.癌とは何か? 2.大腸ポリープ 3.大腸癌の症状 4.検査 5.治療〜定型手術
6.腹腔鏡補助下手術 7.手術に伴う合併症 8.転移のある場合、再発 9.術後補助化学療法

8.転移のある場合、または再発
  (基本的には大腸癌治療ガイドラインに沿う)

肝転移、肺転転移、局所再発は手術的に切除可能であれば手術が第一選択です。手術で取りきれても完全に治るかどうかわかりませんが、中には完全に治っている方がいます。基本的には状況によって治療法が変わります。

肝転移だけの場合または肝転移だけの再発の場合は状況に応じて手術が適応となります。手術により病巣がすべて切除または焼却できるときは初回であれば大腸の原発癌とともに手術が優先となります。再発転移であれば肝臓の手術適応となります。手術は基本的には初回ならば腸と肝臓を同時に手術しますが状況に応じて2回に分けることもあります。

手術をしても肝転移巣がすべては処置できないと判断されるときは大腸の原発巣を手術で処置してから全身抗癌剤治療や肝臓の動脈に抗がん剤を直接注入する肝動注化学療法が選択されます。この抗癌剤治療が功を奏し、肝転移巣が消失する場合もあります。また、消失しないまでにサイズが小さくなったり、個数が減った場合は、その段階で手術的に切除することもあります。

肺転移の場合も基本的には肝転移と同様です。肺の場合は、手術は基本的には胸腔鏡補助下に病巣部周辺を切除しますので意外と侵襲はなく手術できます(当院呼吸器外科に依頼)。

遠隔転移(肝臓、肺、骨、腹膜、脳など)をしている場合は切除不能であれば基本的には全身抗がん剤が適応となります。初回から転移のある場合はもともとの大腸の癌は手術の適応からはずれます。大腸だけを切除しても転移部には明らかに癌が残るからです。しかし、腸閉塞の状態または腸閉塞になりやすい状況や、癌からの出血がひどい時などはその問題解決のために大腸を手術します。

局所再発で切除できない場合は放射線治療をすることもあります。



9.術後補助化学療法

手術で大腸癌が完全に切除されても、状況によっては追加の抗がん剤治療が勧められることがあります。これを補助化学療法といいます。手術で取りきれたはずなのに、これはいったいどのようなことなのでしょうか? 簡単に言えば再発予防です。詳しくお話しすると次の様な理由です。

たとえば2年後に肝転移が見つかったとします。これはいったいいつできたのでしょうか?このような場合、これは手術の段階ですでにあったものと考えます。病巣が小さすぎてCTや超音波では発見できなかったのです。手術前の評価として“遠隔転移はありません”というのは本来正しい表現ではありません。正確には“画像上転移は発見できない”というべきなのです。しかし、転移の有無は画像診断(CT, MRI, PETなど)を駆使しても、それ以上は追求できないので現実的には“画像上発見できない”ものは“手術時には転移はなし”として治療法を決定して行くのです。手術時にもし微小転移巣があると考えられるならば、大きくなる前に抗がん剤で治療しようということです。

そこで、一番問題となるのがいったいどんな患者さんに補助化学療法をするべきなのか?いいかえれば再発の指標は何かということです。絶対に再発しないとわかっていれば補助化学療法は必要ありませんし、絶対に再発するとわかっていれば補助化学療法はしたほうがよいでしょう。しかし、その絶対的な指標はいまだにないのです。しかし、ある程度の傾向はわかってきています。Stage IIIa, IIIb(リンパ節転移のある方)は補助化学療法をしたほうが再発は少なくなるといわれています。Stage IIの方は補助化学療法をするべきか議論のあるところです。

具体的には、

  1. 点滴治療(5-FU + ロイコボリン)周1回2-3時間の点滴を6週で1コース、x3コース(約半年)
  2. 1.の経口剤仕様:UFT + ロイコボリン錠剤毎日内服x4週、1週休薬で1コース。を半年ないし1年
  3. TS-1 (S-1)を毎日内服x4週、2週休薬を1コースとして、半年ないし1年
  4. UFT(他 フルツロン、5-FU、ミフロール) 単剤

などが挙げられます。その状況に応じてご本人やご家族と相談の上決めてゆきます。


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