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われわれは全力を尽くして手術を安全に行っていますが、残念ながら全国的にもある率でおきてしまいます。自動車免許をもって自動車を運転している限りどんなに自分が気をつけていても事故発生のリスクを負ってしまうように、手術をする段階でどんなに気をつけていても合併症のリスクを負ってしまいます。また、もともとの基礎疾患(心臓病、腎臓病、糖尿病、高血圧など)によっては更にリスクが高くなります。考えうる合併症の主だったものをご紹介しておきます。
1. 感染症
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- (ア)肺炎
- 手術は全身麻酔で行います。このとき、のどから気管に管を入れ(苦しくありません)人工呼吸器で呼吸しながら麻酔をします。肺は常に空気中のウィルスや細菌を吸い込んでいますが、咳をすることで排出しています。しかし、手術後は肺に負担がかかることやお腹の傷の痛みのために咳を控えてしまうことがあり、肺炎になりやすくなります。喫煙者ではリスクは高くなります。これらは、術後にしっかり深呼吸や咳をしていただくことでかなり予防できます。また、当院では基本的には手術の翌日から歩いていただいております。これにより、呼吸機能は改善し、腸の運動も活発になります。
- (イ)尿路感染症
- 手術中や術後1-2日は尿道に管を入れ尿量を管理します。そのため量路に感染症を起こすことがあります。
- (ウ)創感染
- 傷が膿むことがあります。
- (エ)その他
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2. 腸閉塞
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食事は口に入り、食道を通ってお腹の中の空間(腹腔内)に入り胃に入ります。その後十二指腸、空腸を通り消化吸収のほとんどが終了します。それから大腸に入り水分が吸収されて便の形が作られ、肛門から排泄されます。口から肛門までは一本のホースのようなものです。お庭に水をまくところを想像してください。ホースをひっぱってきて庭でお水をまいている時、誰かがホースの途中を踏んづけたらどうなるでしょうか?踏んだところより水道側は拡張してしまいます。これと同じことが腸で起きたものが腸閉塞です。お腹の表面は手術により傷ができますが内側にも同じように傷ができます。ここに腸がくっついたり(癒着)腸同士も癒着します。お腹の中で自由に動いていた腸がこれら癒着で一ヶ所固定されると、その動きのなかで折れ曲がってしますところができます。ここが先ほどの“踏んづけた場所”になるわけです。
腸閉塞はいつ起こるかは全く予測できません。早い方で術後3〜4日でなることもありますし、遅い方では30年位してからなる方もいます。ただ、癒着はほとんどの方にできますが、癒着イコール腸閉塞ではありません。ほとんど患者さんは腸閉塞にならずに経過します。腸閉塞の症状は、腹痛、嘔吐、腹部膨満などです。腸閉塞が起きた場合は、鼻から胃や腸まで管を通して胃や腸にたまった液を排出することで改善することが多いですが、状況によっては手術的に治さなくてはいけない場合もあります。
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3. 出血
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結腸の手術では輸血が必要となるような出血はほとんどありません。しかし、直腸の場合は少し事情が異なり出血が多くなることがあります。また、予期せぬ出血も考えておかなくてはなりません。出血が多くなった場合は安全性から輸血をさせていただくことがあります。
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4. 縫合不全
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腸を切除した後は腸の端同士をつなげます。手術用の糸で縫うこともあれば自動吻合器という器械でつなげるときもあります。しかし、これらで腸をつないでもその瞬間にすべてが終わるわけではありません。腸同士が細胞レベルでついてくれのに数日必要なのです。しかし、何らかの理由でつないだところ(吻合部)の一部がうまくつかないことがあります。これを縫合不全といいます。この場合、うまくつかないところは穴となりますので便汁が腹腔内に漏れて命にかかわるような重篤な腹膜炎になることがあります。縫合不全が起きたときの対応は、その状況によって判断します。軽症の場合は保存的に治療しますが、重症の場合(腹膜炎や敗血症などを併発している場合など)は基本的には再手術をして事態の収拾を図ります。
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5.心筋梗塞、脳梗塞
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心筋梗塞、脳梗塞は手術をしなくても起こりうる病気です。全身麻酔や手術侵襲により誘発されることがあります。その程度もさまざまです。術後これらが診断された場合は専門家により治療をします。
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6.静脈血栓から肺梗塞
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術後下肢の血流が滞り、足の静脈内に血栓ができることがあります。この血栓がはがれて、静脈血流に乗り肺に引っかかると肺梗塞となります(肺に血流が行かなくなる)。重症になった場合は生命にかかわることがあります。当院では予防の弾性ストッキングを使用しています。
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大腸癌初回手術患者の在院死亡率は2003年7月1日から2005年6月30日までの2年間で0.7%でした。
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