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転移性肝臓癌とは
肝臓は肺に次ぐ転移の好発臓器であり、悪性腫瘍は発生部位や種類に関わらず肝転移を来す可能性をもちます。特に経門脈性転移が起こりやすい腹部消化器癌で、肝臓は転移しやすい臓器といっても過言ではありません。では腫瘍の原発臓器別に代表的な転移性肝癌の治療について説明します。
■ 大腸癌
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大腸・直腸癌の肝転移術後の5年生存率は25%から40%と諸家から報告されていますが、Stage 「という進行度からすると良好な成績であるといえます。腹部の消化器の血液は一度肝臓を通ってから全身に回るため、肝転移は肝臓というフィルターで癌細胞がひっかかり発育した状態と考えらることができ、他の臓器への転移の一歩手前の段階で見つかったと考えられるためです。従って大腸直腸癌よりの肝転移に対しては肝切除が最も良い治療と考えています。ただし肝転移症例すべてが肝切除の適応というわけではありません。まず肝門部リンパ節転移がある場合は肝切除術を行っても長期生存が望めません。このような症例を除くと、手術はあくまで安全にしかも確実に全ての腫瘍が切除可能と判断される場合に行われます。正常肝の場合、非腫瘍部分の肝容量が30%以上残存し、かつ腫瘍を全て除去できるかということをみて切除可能かどうかを決定し、肝切除後に残った肝臓に再発した場合も再度肝切除を追加することが最良と考えられます。当科での異時性大腸癌肝転移根治切除例の5年生存率は42.9%と良好な結果が出ています。
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■ 胃癌
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肝転移を伴う胃癌の4割は腹膜播種を併存し、また6割が肝両葉にわたり転移巣を認めるため、肝切除の適応となるのは全体の1割程度です。しかしこのような場合、肝切除の治療成績は大腸癌と同等との報告もあり、手術適応例には積極的に切除をする方針です。肝切除の適応は、ウ)同時性と異時性をとわず、肝転移個数が1個で、腹膜播種および大動脈周囲リンパ節転移がない。エ)異時性肝転移の場合は胃癌そのものが組織学的にリンパ管あるいは脈管侵襲がないか、あるいは肝転移が単発で腫瘍を取りきれると判断されること。などを条件としています。
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■ 膵癌・胆道癌
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膵癌・胆道癌の肝転移は治療に奏効することがほとんどなく、診断時がついた時点で余命が限られている場合が多いのが現状です。したがって膵癌・胆道癌の転移については外科的切除でなく抗癌剤による治療が中心となります。
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■ その他
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卵巣癌や乳癌など比較的に抗癌剤の感受性の高い腫瘍での肝転移例では、原発巣のコントロールがされており、肝臓以外に転移巣がなければ、積極的に外科切除をしています。
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なお転移性肝癌切除後や切除の適応が無かった場合でも原発巣切除後は、原発巣に応じた抗癌剤による化学療法を行なっています。