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肝細胞癌

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◆ 肝細胞癌とは

癌とは上皮性の悪性腫瘍であり、非上皮性の場合は肉腫と呼ばれます。肝臓にできる癌には、肝臓を構成する細胞からできる原発性肝癌と、肝臓以外の臓器にできた癌から転移した転移性肝癌があります。さらに原発性肝癌には、肝細胞が癌化し発生する肝細胞癌と肝内の胆管細胞が癌化する肝内胆管癌(胆管細胞癌)、およびその他の癌(肝芽腫、未分化癌など)に区別されます。その頻度は肝細胞癌が95%を占め、一般に肝癌といえばこの肝細胞癌を意味します。

肝細胞癌は、わが国にではその約90%が肝炎ウイルス感染を成因とする慢性肝炎やさらに線維化が進行した肝硬変を背景として発症します。肝細胞癌に関係する肝炎ウイルスの内訳は、C型肝炎ウイルス(HCV)が約70%、B型肝炎ウイルス(HBV)が約20%です。これらの肝炎ウイルスが、肝細胞癌を引き起こす詳細な原因は明らかにされていませんが、いずれにしてもこれらの肝炎ウイルスによる持続感染が慢性肝炎や肝硬変などの原因です。

HCVおよびHBVに感染している方は、肝細胞癌が出来やすいハイリスクグループに属しているため、定期的検診が必要となります。ハイリスクグループとは、具体的には、肝障害度の程度すなわち線維化の進行度により分類することができます。F0は線維化がない状態、F4が肝硬変、F1〜3が慢性肝炎に相当します。

C型慢性肝炎のF1で今後10年間での発癌する確率は、約5%未満、F4では70%と大きく異なります。これら線維化の程度は、超音波で誘導、確認し、細い針で肝臓の一部の組織を採取(肝生検)した後、病理学的検査(顕微鏡で細胞を観察し診断)で診断されます。しかし日常診療でもっと簡便な方法として、血小板の数(普通の血液検査で測定可能)を参考にすることもあります。血小板が18万前後でF1、13万以下になるとF3、10万以下になるとF4と推定できます。

一方、B型慢性肝炎も肝硬変になると10年間で約50%の発癌率があります。C型に比べて、若い年令で、線維化が進行していなくても発癌する場合があるので注意が必要です。また特徴的な症状はなく、進行するまで無症状の場合がほとんどで、これが沈黙の臓器と言われる所以です。

仮に精密検査が必要と判断された場合、診断に必要な検査は、血液検査での腫瘍マーカー(AFP、AFP-L3分画、PIVKA-II)、超音波検査、CTスキャン、MRI、血管造影などの画像検査などを行います。肝細胞癌は、初期の段階では、正常通り肝動脈と門脈による二重の血行支配を受けていますが、その進行とともに動脈のみから支配されるようになり、血管増生に富む腫瘍であることが特徴とされます。このため診断にはこれら血行の特殊性を考慮した画像診断が行われます。

肝細胞癌の進行度は、原発性肝癌取り扱い規約により、以下のように分類されています。T因子(腫瘍の病態)、N因子(リンパ節転移の有無)、M因子(遠隔転移の有無:肺、骨転移など)の三つの因子によって決定されます。T因子は、【1】腫瘍が1個だけ、【2】大きさが2cm以下か、【3】門脈・肝静脈・胆管への癌の浸潤がなしの3項目により、T1:3項目合致、T2:2項目合致、T3:1項目合致、T4:すべて合致せず、と取り決められ、ステージ I はT1N0M0、ステージ II はT2N0M0、ステージIIIはT3N0M0、ステージIVはIVAとIVBとさらに二つに分類され、遠隔転移があれば、自動的にIVBとなり、IVAはT4N0M0、またはT1、2、3、4のいずれか、かつN1M0ということになります。


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